2012年7月4日水曜日

本会議の円滑な運営のために院内総務という役職者を選定する。

上院の委員会議院の委員会を会計すると。現在ではおおよそ五〇くらいの数になるが、これらの委員会の委貝長というのは当選回数の多い、いわば大物の政治家である。政党ではちょっとした顔ききであり、これらの委員長の機嫌をそこねては人統領といえども法案を通すことはできない。

とくにこのことは、国家の予算を決める打算関係の委員会や、外交がらみの委員会、車事関係といった重要な委員会の場合には問違いなく当てはまる。委員長といわれる役には、日本でもよく知られたような超人物といわれる政治家が就任する。そして大統領府と密接な連絡を保ちながら、アメリカの政策決定の主にあたる。

あるいは本会議の円滑な運営のためには、共和党も民主党も院内総務という役職者を選定する。議事にあたっての交渉を相手と行う役柄であり、やり方によっては法立や政策の行方を左右するという微妙な立場である。議員総会で上院から一名と下院から一名の担当者が選ばれるが、彼らはやはり経験豊かな政治家であり、多くの党員の信頼の厚い人物であることはいうまでもない。

このように政党という人義夕‥分は、議‥目ヤたちをたばれて議会の審議をスムーズに行い、議会と大統領との関係を円滑なものにする。もし政党という夕万がなかったならば、法案の審議などは今よりもはるかに困雌なものになっていたであろう。あるいはただでさえギクシャクしがちな行政府と立法府の関係は、なおさら雌しいものになっていたであろう。

そしてアメリカの国政は、ますます非効率な、時問のかかるものになっていたはずである。議会のなかで、経験豊かな長老たちが依然として強い発言権をもち、むずかしい審議をとりまとめているというのは、アメリカのパラドックスでもある。たびかさなる「民主化」の波のなかで、談合政治や長老支配といった風潮は希薄になっていったはずであった。それにもかかわらず、地域の利用の調幣や民主主義のスムースな運営のためには、年功庁列という「前近代制」がおおいに役に立っているのである。

しかも、前近代制と竹命性をあわせもっかアメリカの政党という存在は、合衆国憲法にも定めてない非公式の組織であった。川京が誕心してしばらくしてから生まれたという、統的とはいえない民間団体であった。また時代とともにその性質を変えるという、軟体動物のようなところがあった。それにもかかわらず、いやひょっとしてそれだからこそ、アメリカの地域問の利害を取り持ち、大統領をアメリカの大地に引きつけながら永遠の革命を実現するという、重大でむずかしい機能をこなすことが可能なのかも知れない。