2012年5月8日火曜日

各国の金融・財政政策を平時の状態に戻す

世界20か国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が5日夕(日本時間5日深夜)閉幕し、金融機関の報酬制限の検討や自己資本の強化など新たな金融規制の方向が固まった。しかし、具体策では各国間の対立が残っており、24~25日に米国で開かれるG20金融サミット(首脳会議)に課題を持ち越した。

仏独「報酬に上限設定」米英「取引の流出招く」

報酬規制については、業績連動型の報酬が金融機関の経営者らを目先の利益追求に走らせ、危機を招く一因になったとの反省を踏まえ、報酬体系の国際基準を策定することで一致、付属文書に明記した。各国の金融当局で構成する金融安定理事会(FSB)に、金融サミットで具体的な提案の報告を行うよう求めた。

ただ、会議では、報酬の上限設定を主張した仏独に対し、米英は過度な規制は「金融取引の国外流出を招く」(ダーリング英財務相)と慎重な構えを見せ、両者間の溝が鮮明になった。9月下旬までに、FSBの場で、この溝をどこまで埋められるか、注目される。

付属文書に日本の主張が反映された。普通株への将来の強制転換が約束されている「強制転換条件付き優先株」を自己資本として認めるかどうか「可能性を検討する」との文言などが盛り込まれた。優先株を大量に発行しているメガバンクがある日本は、普通株を過度に重視した一律的な規制強化に懸念を示していた。

一方、共同声明は、各国の金融・財政政策を平時の状態に戻す「出口戦略」について「透明で信頼性のあるプロセスが必要」との認識で一致した。出口戦略でも一定の国際協調は欠かせないためだ。